ゼロコロナ維持の中国
世界の国々が新型コロナウイルスとの共存を選び、規制緩和を進める中、中国の上海市では2ヶ月以上にわたる厳格なロックダウンが実施され、注目を集めました。この強固な体制に市民が不満を募らせる一方、習近平国家主席は6月9日、「ゼロコロナ政策を揺らぐことなく堅持する。」と発表し、新型コロナウイルスの根絶を目指して外出制限や大規模検査、強制隔離を続けています。
中国の今:コロナの現況
現在の中国大陸での感染者数は、平均で1日64人の新規感染者が報告されています。パンデミック開始以降、同国では感染者887,590人、死亡者5,226人が報告されています。
ワクチンに関しては、必要回数のワクチン接種完了者は全人口の89.7%で、ブースター接種完了者は55.6%となっています。

上海:2ヶ月ぶりにロックダウン解除も、再びロックダウンの警戒高まる
中国・上海市では6月1日、2ヶ月以上続いていたロックダウンが解除されました。これにより、一部地域を除き、上海市の人口の約9割にあたる約2,250万人が自由に移動できるようになり、公共交通機関の基本サービスや、店舗の営業も再開されました。ただし、自宅の敷地や建物を出て他の場所へ出向く際は、72時間以内のPCR検査の陰性証明書や、体温検査、健康アプリなどの提示が求められるなど、新たなルールが導入されているとの事です。また、中リスク地区になると毎回、48時間以内の陰性証明書が必要になりますが、結果が更新される時間が一定ではないため、実質毎日検査をしているような状態との事です。
ロックダウンが解除されたばかりの上海市中心部の閔行区では、新型コロナウイルスの感染のリスクを検知して管理するために、6月11日から再びロックダウンが導入されました。このほか、6月11日からの2日間にわたり、人口の約半数にあたる市民1,400万人以上を対象に大規模なPCR検査を実施しました。検査を徹底するために、市内の大半が封鎖され、レストランでは店内での食事の提供停止を余儀なくされました。また、前回のロックダウンで食料の調達などに苦労した市民の間では、大規模な再ロックダウンへの警戒が高まっています。
なお中国では、ロックダウン解除直後の6月3日(金)〜5日(日)に端午節の3連休に入り、上海市内の繁華街や観光地は、賑わいを取り戻しました。連休中はショッピング施設やキャンプに関する検索が急増しました。一方で、端午節連休中の市外への旅客輸送量は前年同期比92.8%減の延べ11万1,600人でした。

北京:クラスター発生で再び大規模検査
北京市では、5月に1日当たりの新規感染者が数十人に上ることもあり、市全域でのロックダウンの懸念が広がっていました。しかし、大規模検査や的を絞った対策でロックダウンを回避し、6月6日には大半の地域で公共交通機関が運行を再開し、飲食店の店内飲食も1ヶ月ぶりに認められるなど、日常生活を取り戻し始めました。また、5月1日から一時休園していたユニバーサル・北京・リゾートも6月15日から入場者を75%に制限して営業を再開すると発表しました。
北京市文化観光局によると、今年の端午節連休に市内の主要観光地を訪れた人は、前年同期比57.6%減の延べ191万2,000人で、観光収入は前年同期比51.9%減の1億3,197万4,000元(約26億円)でした。しかし、端午節連休後の6月6日には、北京市内の旅行会社による市民向けツアー旅行が再開され、この情報が発表されると同時に、中国の大手OTA「携程(シートリップ)」のプラットフォームでは、北京市内観光の予約数が前週よりも14%増加するなど、観光回復の兆しがみられました。しかし、北京市内にある人気のバーで、9日〜13日までに200人以上の感染者が出るクラスターが発生したため、大規模検査を再開しました。6月13日には学校を再開する予定でしたが、これを遅らせるなど、再び見通しが立たない状況となっています。
■グローバル・タックスフリー株式会社
担当部門:広報部
所在地 :東京都港区六本木7-8-6 7階
電話番号:03-5544-8371
公式ホームページ: https://global-taxfree.jp/
公式ブログ : https://globaltaxfree.jp/