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2022年国際観光客数は緩やかに回復

2022年国際観光客数は緩やかに回復

UNWTO(国連世界観光機関)が年4回発行する「世界観光指標」。3月に発表された最新データによると、2022年1月の世界の旅行者数(国際観光客到着数)は、前年同月比の2倍を超え、2022年は好調な滑り出しとなりました。ですが、気がかりは、2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻が旅行市場に与える影響です。

2022年1月の世界の旅行者数は前年同月比で2倍以上

2022年1月、世界の旅行者数は前年同月比の2倍を超え、旅行者数の人数で言うと、1,800万人の増加を記録しました。2021年は1年間で前年より旅行者数が1,500万人増加したので、たったひと月で2021年全体の増加人数を上回った数字になります。
パンデミック前の2019年と比べれば、1月の世界の旅行者数は67%減で、新型コロナウイルス感染症の新たな変異株、オミクロン株とそれに伴い生じた渡航制限のため、60%減だった2021年第4四半期との比較でも後退しています。しかし、2021年1月の低い水準と比べれば、世界のすべての地域で大幅に回復しています。欧州(199%増)、南北アメリカ(97%増)、中東(89%増)、アフリカ(51%増)と軒並み増加を示しました。
アジア・太平洋地域では、前年同月比では44%増ですが、不要不急の渡航制限が引き続き行われる地域があるため、2019年との比較では93%減と落ち込み幅は大きいままです。

Image by : UNWTO

ウクライナ侵攻で、国際観光収入の損失

懸念すべきは、ロシアによるウクライナ侵攻が及ぼす影響です。今後の行方が不透明なゆえ、海外旅行への信頼回復を阻み、2021年に見られた上向き傾向に暗い影を落とす可能性があります。アメリカとアジアからの旅行者は、もともとリスク回復傾向が強く、特にヨーロッパ旅行に影響が生じる可能性があります。
欧州各国によるロシア航空機への領空閉鎖で、欧州と東アジアを結ぶ長距離便に迂回ルートへの変更が生じ、長時間のフライトと航空運賃の値上げが起こっています。さらに、原油価格の高騰とインフレ率の上昇で、宿泊施設や輸送サービスも値上がりしています。すでに厳しい経済状況に置かれていたにも関わらず、さらに圧力がかかり、消費者心理を損ない、投資の不確実性を高めることは間違いないでしょう。
2020年の世界の国際観光支出に占めるロシアとウクライナの割合を合わせると3%になります。紛争が長期化すれば、少なくとも世界全体で約140億米ドル(約1兆7億円)の国際観光収入が失われる可能性があります。この2市場の動向は、近隣諸国やヨーロッパの観光地にとっても非常に気になるところです。
経済協力開発機構(OECD)では、今年の世界経済の成長率が予測より1%以上低くなると推定しています。

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