警戒対象に加えて2週間
新型コロナウィルス感染症の新たな変異株をWHO(世界保健機構)が「オミクロン」と命名し、警戒対象に加えてから12月10日で2週間が経ち、ウイルスの性質に関する研究成果が各国で出始めました。当初、専門家が予測した通り、感染力が強く、ワクチンが効きにくい可能性が濃厚でるとのことです。一方で、重症例は比較的少なく、ワクチンを3回打てば予防効果が得られるとする報告もあります。ただ、まだ結論が言える段階ではなく、さらなる解明が待たれます。
オミクロン株の特徴
オミクロン株の特徴として以下の5つが研究で示された現時点での可能性です。
- 感染力が強い
- ワクチンが効きにくい
- 再感染しやすい
- ファイザー制ワクチンの3回接種で予防効果
- 比較的重症化しにくい
オミクロン株をめぐる主な疑問は「感染力は強いのか」、「ワクチンや薬は効くのか」、「重症化しやすいのか」等が挙げられます。新型コロナウイルス感染症の感染はワクチン接種の進み具合や環境、季節などの影響を受けるとされています。このため、感染力の直接比率は難しいが、現在のところ感染力はデルタ株を凌ぐとの懸念が強いとのことです。
- 感染力は強いのか
WHOによると、南アフリカでは12月5日までの1週間の感染者は約6万2千人で、前の週の倍以上でした。国立感染症研究所の脇田署長は「南アフリカのデータを見るとデルタ株を追い越して増えており、感染力が高い」とみています。
欧州疾病予防管理センター(ECDC)が2日に示した試算では、オミクロン株の広がりやすさがデルタ株に比べて3割増しの場合、現在のシェアが全体の1%しかなくても、来年3月初めには過半数を占めるとみています。
- ワクチンの効果は
ワクチンの効果を巡っては、南アフリカのアフリカ健康研究所のチームが7日、効果が弱まる可能性を示す研究を公表しました。米ファイザー製ワクチンを接種した人の血を使い、ウイルスの増殖を抑える実験を実施したところ、昨年春以降に広まったウイルスと比べると、オミクロン株ははるかに抑えにくいことが分かりました。既に新型コロナウイルス感染症に感染したことでついた免疫が、オミクロン株に対して十分に働かず、再感染しやすくなっている事を推定する研究もあります。
一方で、ファイザーは8日、同社のワクチンの3回接種により、オミクロン株の感染を予防する効果を期待できるとの暫定的な研究結果を発表しました。2回の接種では感染を十分に防げないが、重症化は防げるとの見方も示しました。
- 深刻化?
症状はそれほど深刻ではないとみる報告もあります。オミクロン株が集中的に確認されている南アフリカ・ハウテン州ツワネ地区の病院のまとめでは、11月14日〜29日の入院例166人の大半が酸素投与を必要としておらず、手術や出産などの別の理由で入院した際にたまたま感染が分かった人たちとのことです。報告では、「これまでの波では見られなかった光景だ」と強調しました。ただ、南アフリカは人口の半数が28歳以下と若い国である点に注意が必要とのことです。疫学専門のキスラー米ハーバード大研究員は「高齢者や持病のある人が多いなど、事情の違う国に広がれば、重症度はまた違って見えるはずだ」と指摘しました。

日本を含め世界の57の国と地域
新型コロナウイルス感染症の新たな変異株「オミクロン株」の感染は、日本を含め世界の57の国と地域で確認されています。
- アジア
日本、香港、台湾、韓国、インド、シンガポール、マレーシア、スリランカ、タイ、モルディブ、ネパール - オセアニア
オーストラリア、フィジー - 北米
アメリカ、カナダ - 中南米
メキシコ、ブラジル、チリ、アルゼンチン - ヨーロッパ
イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、オランダ、ベルギー、デンマーク、チェコ、オーストリア、スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、スペイン、ポルトガル、スイス、アイルランド、ギリシャ、アイスランド、ルーマニア、ロシア、クロアチア、エストニア、ラトビア - 中東
イスラエル、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、クウェート、ヨルダン - アフリカ
南アフリカ、ボツワナ、ナイジェリア、ガーナ、ジンバブエ、チュニジア、ザンビア、ウガンダ、セネガル、ナミビア
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