新たな変異株「オミクロン株」の出現
新型コロナウィルスの新たな変異株「オミクロン株」の世界的な拡大を受け、日本政府は11月30日から当面の間、外国人の新規入国を原則停止すると発表しました。12月1日には国交省が国内外の航空会社に対し、12月末までの1ヶ月間、日本に到着する全ての国際線は新規予約を停止するよう要請しましたが、年末年始の帰国を予定していた日本人が帰国断念を余儀なくされるなど不満の声が高まり、翌日の2日に要請を撤回しました。
現在、日本は感染状況が比較的落ち着いていますが、日本よりも気温が低い隣の韓国では、新規感染者が爆発的に増加しています。街中のPCR検査場ではいつでも行列を作っており、感染が身近に迫ってきています。
韓国の今:コロナの現況
韓国での感染者数は増加傾向にあり、1日あたりの感染者数の平均がピークに達しました。現在の平均は1日5,000件以上の新規感染者が報告されています。パンデミック開始以降、同国では感染者489,484人、死亡者4,020人が報告されています。
ワクチンに関しては、1回以上のワクチン接種完了者は全人口の82.5%で、必要回数のワクチン接種完了者は80%に達していますが、ブレイクスルー感染が約6割を占めている韓国では、3回目のワクチン接種が始まっています。
また、12月8日には、1日の新規感染者が初めて7,000人を超え、7,175人が報告されました。11月1日から防疫体系が転換され、社会活動が増えた影響で感染者数が増えているとみられます。

規制緩和は見直しに
新型コロナウイルス感染症の感染状況が深刻化している韓国では、12月2日、新規感染者が5,266人に上り、過去最多を更新しました。3日も4,944人隣、3日連続で5,000人前後の高い水準が続いています。1日には、オミクロン株の感染者が国内初で確認されました。重症者の数は736人となり2日に続いて過去最多を更新、ソウル広域圏の集中治療室の病床使用率は90%に達し、915人が入院待ちの状態となっています。病床が空かず、症状の重い患者を自宅に送り返すといった事態も発生しています。
韓国政府は3日、ここまでの状況を踏まえて、12月6日から来年2022年1月2日までの間の規制強化を発表し、その中で、ワクチン接種の有無に関わらず、私的な集まりの人数について、
- 首都圏 ▶︎ 最大6人
- 非首都圏 ▶︎ 最大8人
に制限しました。また、ワクチン未接種者は1人まで許可され、2人以上の場合は違反になります。飲食店などを利用する際にはワクチン接種を終えたことなどを示す「防疫パス」の提示が義務化されます。一方で、飲食店の営業時間の制限は自営業者の反発を考慮し、見送られました。「防疫パス」が適用される施設等は以下の通りです。
- 遊興施設 (居酒屋、ナイトクラブ等)
- カラオケ店
- 室内運動場
- サウナや浴場施設
- 競輪・競艇、カジノ等
今までは、上記の5施設を利用する際、防疫パスが義務化でしたが、今回新たに加えられたのは、
- レストラン・カフェ
- 塾
- 映画館・劇場
- 読書室・スタディーカフェ
- マルチルーム (ゲームセンターを除く)
- インターネットカフェ
- 博物館・美術館・科学館
- (室内)スポーツ競技(観覧)場
- パーティールーム
- 図書館
- マッサージ施設
以上の全16施設を利用の際、防疫パスの提示が義務化されます。また、12歳から18歳のワクチン接種完了者に対しては2022年2月1日から防疫パスを適用することも決定しました。

ウィズコロナ第2段階への以降は保留に
韓国では11月29日、ムン・ジェイン大統領が主催する「新型コロナウイルス対応特別防疫点検会議」が4ヶ月ぶりに開かれました。11月1日に新たな施策「段階的日常回復(ウィズコロナ)」へ移行した同国では、規制緩和が感染者急増のの一因となったとみられています。ムン大統領は会議でウィズコロナの結果を評価しつつ、「新規感染者、重症患者、死亡者が全て増加し、病床に余力がない状況」と述べ、防疫レベルをさらに緩和するウィズコロナ第2段階への移行は保留すると発表しました。一方で、今後4週間にわたって特別防疫を実施するとの方針を示しました。
この特別防疫措置では、行動制限をするのではなく、ワクチン接種に重点を置き、国民に3回目の接種を促していくと強調しています。韓国では、50歳以上の国民を対象に3回目の接種が予定されていますが、今回の会議で、18歳〜49歳の国民にもその対象を拡大すると発表しました。さらに10代の若者の接種速度を高め、5歳〜12歳の子供への接種についても検討を進めるととの意向を示しています。
早期にワクチン接種を完了した60代以上の高齢者の間で予防効果が低下したことにより、ワクチン接種完了後に感染するブレイクスルー感染が広がっています。これを受け、ワクチン接種完了証明とPCR検査の陰性証明として施設などで提示する「防疫パス」の有効期限を6ヶ月にすることも決定しました。
ワクチン接種の有無に関係なく、入国者に10日間の隔離措置
韓国の中央防疫対策本部は11月29日、新たな変異株「オミクロン株」の流入を防ぐため、全世界を対象とした外国人の入国制限は検討していないとの認識を明らかにしました。水際対策としては、28日よりオミクロン株が最初に確認された南アフリカをはじめ、ボツワナ、ジンバブエ、ナミビア、レソト、エスワティニ、モザンピーク、マラウイのアフリカ8カ国からの外国人の入国を全面禁止にし、1日にはナイジェリアも追加しました。
また、3日午前0時から17日午前0時まで全ての国・地域から入国する韓国人と外国人に対し、ワクチン接種の有無に関係なく10日間の隔離措置を適用するとしました。
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