条件付きで入国許可へ
イラン政府は、10月23日から、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のために2020年3月以降停止していた外国人へのビザ発給を約1年7ヶ月ぶりに再開しました。
ただし、入国の際にはワクチン接種証明書、入国前96時間以内に受けたPCR検査の陰性証明書の提示が必要になります。

イランの今:コロナの現況
イランの感染者数は減少傾向にあり、1日あたりの新規感染者数が5万人を超えた第5波のピーク(8月17日)から大きく減少し、9月下旬以降は1万人前後で推移しています。現在では、平均で1日9,149人の新規感染者が報告されています。パンデミック開始以降、同国では、感染者6,004,460人、死亡者127,551人が報告されています。
ワクチンに関しては、8月に就任したイブラーヒーム・ライーシー大統領がワクチンの輸入と接種を最優先課題の1つに揚げて以降、接種率が上昇しています。就任直後の8月9日には1回目のワクチン接種を受けたのは全人口の15%、必要回数のワクチンを接種したのは全人口約4%でした。現在の接種率は、1回以上のワクチン接種完了者は全人口の66.5%で、必要回数のワクチン接種完了者は全人口の48.2%になります。

ワクチン接種が後押しに
イラン政府の今回の決定は、文化遺産・観光・手工芸省(以下、観光省)の要請に関係省庁が合意し、政府のコロナ対策本部が承認したもので、10月25日に同本部の承認を受けて同省が公表した関係省庁向けの「コロナ下の外国人観光客受け入れ指示書」では、国内外のワクチン接種が進んでいることから、雇用状況の改善や持続可能な経済発展と外貨獲得などのため、国民の健康を守りながら外国人観光客の受け入れを再開するとしています。
観光産業の打撃
イランは、アメリカが2018年に再開した経済制裁によって原油輸出が制限されるなか、数少ない外貨獲得手段の1つとして、観光産業に力を入れてきました。国連世界観光機関(UNWTO)の統計によると、イランの外国人訪問者数は
- 2013~2017年:毎年500万人前後
- 2018年:約730万
- 2019年:約911万人
と増加していて、前観光相によると、2019年の観光収入はGDPの2.8%の117億ドルに達しました。
しかし、新型コロナウイルス感染症の感染拡大後の外国人観光客の受け入れ停止に加え、国内でも営業制限や移動・交通制限が行われたことから、観光省によると、2021年3月までの約1年間の観光産業の損害額は320兆リアル(約8,600億円)、失業者は4万4,000人と観光産業は新型コロナウイルス感染症によって大きな打撃を受けた産業の1つになっていました。
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