変わる道路の使い方
世界の大都市で今、道路の使われ方が変化しています。ニューヨーク市では、密を避けながらレストランでの食事を楽しむことができるよう、2020年6月に歩道や駐車スペース、裏庭などにテーブルを設置してもよいと許可が下りました。
欧米で自転車レーンの増加
多くの都市で自転車レーンの整備が始まっています。WHOが2020年4月21日に『移動に関する新しいガイドライン』で、「可能であれば、自転車か徒歩移動を」との指示を出し、アメリカとヨーロッパの多くの都市が反応しました。
『ロンドン、ニューヨーク、パリそしてミラノが、自転車と歩行者の為に道路を譲った』という同年5月のデザイン誌の記事では、
- ロンドン
暫定的だった自転車レーンがしの主な通路として定着
路上駐車場と車道が歩道へと移行していく予定 - ニューヨーク市
市内の車道約65kmが5月中に歩行者と自転車専用に代わる - パリ
最も有名なショッピング通りが車両通行禁止へ - ミラノ
夏の間、約35kmが暫定自転車レーンとなる
いくつかの通りで制限速度が時速30kmに引き下げられる
以上のような政策が紹介されています。

ロックダウン明けにはガラリと
2020年5月に1度目のロックダウンが解除されたパリでは、自動車から自転車への移行がフルスピードで進んでいます。約2ヶ月に及ぶ1度目のロックダウンで街に人がいなかった時期と、公共交通機関利用を避けたい市民が自転車に目を向け始めた風潮を捉え、市内の道路が着々と自転車レーンに移行していました。
今年5月14日のBBCの記事によると「パリでは、パンデミック中に、数100kmもの自転車専用レーンができた」といいます。その中で最も印象的で象徴的なのは、コンコルド広場からルーブル美術館の北側を通るパリの目抜き通りである全長約3kmのリヴォリ通りが自転車専用となったことです。バスやタクシー、緊急車両などを除く車の通行が禁止され、その代わりに自転車レーンが大幅に拡張されました。さらに、主要なメトロ路線に沿って、自転車レーンが整備され、マスクをつけメトロで会社に行くのが耐えられないパリ市民の多くが自転車通勤を選択しているようです。
現市長が描く未来のパリ
2014年にパリ市長に就任し、2020年7月に再選されたアンヌ・イダルゴ氏が以前から自転車の普及に取り組んでおり、パンデミックを追い風に計画の実現が急激に進んだということが自転車専用レーンの背景にあります。2016年5月に始まった車のない街を目指す計画のプロジェクト名は『Paris Respire(パリが呼吸する)』で、空気の綺麗なパリを目指し、日曜日には市内各地の道路が歩行者天国となりました。
2017年には ヴェリブ(Vélib) という公共のシェア自転車が導入され、市民が安価で自転車を利用できるようにもなりました。同時に、自転車専用レーンの整備にも積極的に取り組んできたイダルゴ氏がいたからこそ、今回の新型コロナウイルス感染症の蔓延による密を避ける動きに素早く反応し大胆な変化が実現しました。
フランス政府が自転車利用者連盟と協力して、自転車の修理に最大50ユーロを補助し、長い間自転車に乗っていなかった人が再び自転車に安全に乗るための無料講習を提供する『Coup de Pouce Vélo (自転車を助けよう)』という政策を実施したこともあり、パリでは空前の自転車ブームが始まっています。

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